抗菌防臭加工は清潔さの代名詞
寝具から細菌をシャットアウト
ふとんやカバーリングなどの寝具には「抗菌防臭加工」という表示がされているものがあります。これは清潔度が高い寝具であることを保証する表示ですが、言葉だけがひとり歩きして、実際のところ、どんな加工が施されているか、知っている人は少ないでしょう。
私たちの体は毎日新陳代謝を繰り返しています。とくに就寝中は人量の汗をかきますし、寝具には体のあかや汚れも付着します。ここから微生
物が繁殖し、数を増やして、においを発生することにもなります。細菌が分泌する有機酸やアミン類がにおいの原因になるのです。
「抗菌防臭加工」はこうした徹生物の増殖を抑制したり、殺したりするための加になのです。
洗濯しても効果は持続
「抗菌防臭加工」の方法には次のようなものがあります。
- 繊維の糸の中に銀、亜鉛、銅などの金属を付着させたゼオライトを抗菌剤として練りこむ方法。
- 有機シリコン第4級アンモニウム塩などの抗菌剤をすでにでき上がった繊維に施す方法。
「抗菌防臭加工」は毒性試験や皮膚試験で間題がなく、安全性が確認されています。また、洗濯をしても、洗い流されてしまうことが少なく、効
果は長続きします。ぐっすり眠るためには、清潔な寝具で眠ることは最低限の条件です。ふとんを干す時間がない共働きの家庭などには、「抗菌防臭加工」寝具はおすすめです。
取り扱いは絵表示を見て
「抗菌防臭加工」のされた製品を洗うときは取り扱い絵表示にしたがいましょう。また、クリーニングに出すときは、加工してあるということをお店にきちんと伝えてから出しましょう。取り扱い表示が製品に縫いつけてないものが多いので、注意が必要です。
SEKマークは、繊維製品衛生加工協議会【SENI SEIHIN 】(SEI KAKOKYOGIKAI )の頭文字を取ったものです。
自分に合ったサイズの寝具で眠りたい
ふとんもロングサイズの時代がきた
日本人の平均身長が年々伸びてきていることは皆さんご存じのことでしょう。
25歳成人男子の場合、1978年には167.5cmでしたが、88年には170.7~になり、3cm以上伸びています。同年齢の女子の場合は、78年の155・3cmから88年には156・7cmになり、約1.5cm伸びています。
日本人の体の伸びに合わせて、デパートや人手スーパーマーケットでも、従来の丈の長さよりさらに数センチ長めのトールサイズの衣服が販売されてきています。
衣類に限らず、大きいサイズのふとん、4Eサイズの靴、人きい人のための半径の長い傘、トールサイズの浴衣など、消費者のニーズに細やかに対応した商品が販売されています。
寝具は毎日使うものですから、寝ごこちを考えると、どのような大きさにするかは重要なポイントになります。
あなたの体格に適した長さは?
寝具のサイズについて小原二郎氏(千葉工業人学教授)が男性を対象に実験を行ったところ、寝返りも考慮した上で必要な敷寝具の最小限の幅は70cmと発表しています。ちなみに梁瀬度子氏(奈良女子大教授)が女性を対象に行った実験では最小限の幅は60cmでした。
通常、敷寝具の幅は肩幅の2.5~3倍必要といわれています。また、小原氏の調査によれば、各人の体格に合った寝具の長さについては、次のような数式で求められます。
●長さ=身長×1・05+10cm+5cm(10cmは頭部の余裕で、5cmは足部の余裕)
JIS規格では敷ふとんのMサイズは、幅100cmで、長さは195cmですが、あなたの体にうまく合う人きさでしょうか。体の人きな日本人が増え、おそらく今後は、現在需要が多いMサイズのふとんよりロングサイズのニーズが高まるでしょう。
サイズはメーカーにより異なる
また、JISの規定には許容差があるため、S、M、L、SW、Wとサイズが表示されていても、各メーカーによって多少サイズが異なります。
寝具は敷ふとんにシーツや毛布、掛ふとん、カバーリングを組み合わせて使用するものです。サイズが統一されていないために、組み合わせが自由にできない不都合が生じることもあります。
個々の寝具のサイズに統一性をもたせることが今後の課題といえるでしょう。
夢と機能性の二本立てで選ぶナイティ
ネグリジェとパジャマ、どちらが快適?
ホームファッションの世界が広がって、ナイティのおしゃれを楽しむのは、もう特別なことではなくなってきました。そのまま外出着としても通用するようなファッショナブルなものから、リラックスできるラフなウェアまでさまざまです。
さて、ナイティといえば、ネグリジェとパジャマに分かれますが、あなたはどちらを愛用していますか? 共立女子大学家政学部の女子学生にア ンケートを試みた結果、圧倒的にパジャマが支持されました(81パーセント)。意外にネグリジェの愛用者は少なく(1パーセント)、それ以外の 人はスウェットやTシャツにショートパンツ、スポーツウェアなどを着用しています。
ナイティの素材になると縮か大多数を占めていました。体をリラックスさせる時間にはやはり天然素材のほうが快適だということなのでしょう。
ところで、パジャマとネグリジェではどちらがよく眠れるのでしょうか。睡眠中にパジャマとネグリジェを着用したときの寝返りなどの体動を時間を追って調べたところ、パジャマの場合の体動は、1時間に6.3回、ネグリジェは6.7回でした。
また、パジャマとネグリジェを着用したときのそれぞれのすその動きを調べると、ネグリジェのほうがずっと人きくなっています。睡眠中の動きは少ないほど快適と考えられますので、パジャマのほうが安眠できるという結論が得られます。
しかし、ナイテイは機能性ばかりでなく、雰囲気を楽しむものだということを忘れてはならないでしょう。要は、パジャマでも、ネグリジェでも、Tシャツにショートパンツでも、あなたがお気に入りで、あなたの感性に合うものが、結果的には気持ちよく眠れるナイティなのです。
ちなみにデパートではパジャマは寝具売り場に、ネグリジェは下着売り場に置いてあるとか。ネグリジェは下着的な要素があり、ファッション
性が高いということかもしれません。